ガイド撮影/オートガイド/キャリブレーション
露出時間を伸ばせるガイド撮影で星を点像にすることができれば、飛躍的に撮影対象が拡がり写真のクオリティーも向上します。しかし、ここで断念する人も多いと聞いています。私もノータッチガイドからオートガイドによるガイド撮影の成功まで、相当の失敗を繰り返しました。
言葉がいろんな意味で使われているようなので、ここではこのようにしています。
ノータッチガイド:赤道儀による追尾方法。追尾時間が長くなるとズレが生じる。
ガイド撮影:赤道儀に生ずるズレを、補正しながら撮影する追尾撮影。オートガイドは補正方法のひとつ。 他にセルフガイドもあります。
オートガイド:オートガイダーにより赤道儀のズレを補正しながら追尾する方法。
ガイド鏡によるガイドとオフアキシスガイドがあります。
ガイド撮影システムは、搭載するカメラの種類・オートガイダーの型、さらにオートガイドソフトに何を使うかにより様々な組み合わせがあります。写真の撮影鏡筒はf670㎜の105SDP、ガイド鏡がFS-60CBに2倍バローを付けてf710㎜、オートガイダーはSBIG社の冷却CCDカメラST-402ME、撮影カメラはデジカメAPS-C機、ソフトはCCDOPSです。私がオートガイドによるガイド撮影に初めて成功した組み合わせです。これは2011年オーストラリア遠征時の主力機器で、写真「エータカリーナ星雲」などはこのシステムで撮影しました。現在は冷却CCDカメラSTL-11000Mによるセルフガイド、ソフトにCCDSOFTが多くなってきています。
ガイド撮影で最初に躓くのはキャリブレーションだと思います。キャリブレートは実際に赤道儀のモーターシステムに指令を送り、実視界での星の動きを予めオートガイダーに学習させるために行います。従って光学系が異なれば必ずキャリブレーションをやり直す必要がありますが、望遠鏡の向きや撮影天体をかえるときなどについてはオートガイダーの種類によって異なるようです。
写野中央にキャリブレートする恒星(写野内で一番明るい恒星)を入れXとY方向に4回、写野からはみ出さない程度に動かします。この時の動きにより、さらに明るい恒星が写野に現れれば、キャリブレーションは成功しません。キャリブレートする恒星を決めるには、写野外の恒星を含め事前にチェックする必要があります。成功すれば右上写真のグラフと下のようなログ記録が表示されます(グラフとログの内容は同期していません)。これはCCDOPSの場合で、表示内容はソフトによって異なります。
なお、キャリブレーションは2回連続で行います。このことを含めオートガイドについて、古庄 歩氏が「星ナビ2012年3月号~7月号」に実に詳しく解説されていますので、そちらを参考にしてください。
ガイド星 位置
開始位置 :ガイド星位置 ピクセル 331.32, 257.12 輝度 14496
リレー +X :ガイド星位置 ピクセル 394.06, 255.82 輝度 13067
リレー -X :ガイド星位置 ピクセル 331.39, 257.31 輝度 12300
リレー +Y :ガイド星位置 ピクセル 331.32, 195.49 輝度 15288
リレー -Y :ガイド星位置 ピクセル 332.90, 240.93 輝度 14411
キャリブレーション結果
+X リレー : 駆動速度 = 3.14 / 91 (度)
-X リレー : 駆動速度 = 3.13 / 271 (度)
+Y リレー : 駆動速度 = 3.09 / 180 (度)
-Y リレー : 駆動速度 = 2.27 / 2 (度)
キャリブレーションが成功すると、いよいよガイド星をオートガイドしながらのガイド撮影になります。しかし私の場合、キャリブレーションに成功しているものの星の流れる現象が止みませんでした。ネット等で色々調べましたが原因がわからず、失敗を繰り返しました。結局、原因は「機材の締め付け不足」ではないかということが、数軒のアストロショップ訪問でわかりました。「人の力では鏡筒は破損しないので、ガッチリ締め付けてください。」とのことでした。機材の固定方法などを改善し、初めて点像の画像を確認した時(「あれい星雲」)、やっと長いトンネルを通過することができました。(2017/11)
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