ボーデの銀河 M81 おおぐま座 距離:1790光年 大きさ : 27×14′

 M81銀河は「おおぐま座」に位置する春を代表する銀河のひとつです。近くのM82銀河とともに「ヨハン・ボーデ」により発見され、「ボーデの銀河」と呼ばれています。赤緯が+70°程で天の北極に近いため沈むことなく、一年をとおして観測できる狙いやすい天体とされていますが、私の撮影場所からは樹木と光害の影響で制約の多い天体です。
 銀河中央から伸びる発達した2本の腕には、星形成が行なわれているHⅡ領域が見られ、渦巻銀河の端正で美しい姿で知られています。今回はHⅡ領域を引き出すため半値幅35nmのバーダー社製Hαフィルターを使用しましたが、半値幅7nmの狭いフィルターであれば、腕に沿うさらに多くのHⅡ領域を抽出できると思います。半値幅は手っ取り早くいえば光を通す波長の幅のことで、狭ければ目的の被写体をより強調できますが、長い露出時間が必要になり高価です。

 銀河中央のバルジより北(上)に渦巻の向きと異なる数本の暗黒のスジが見えます。近くの銀河との相互作用によるものか、M81銀河の手前にある非常に淡い天体が影絵のように見えている、などと言われています。
ボーデが発見したもう一方のM82銀河も興味深く、代表的な不規則銀河でスターバースト銀河の一つとして知られていて、次の機会に狙いたいと思っています。
 この写真は20枚の画像から作成されていますが歩留り(採用画像数/撮像画像数)を調べたところ25%でした。厳しく選別した影響もありますが悪すぎで、せめて50%にしたいものです。(2022/04)


     撮影機材:タカハシ Mewlon-250CRS(D250㎜ f.l.2500㎜ F10.0)
          タカハシ EM-400FG-Temma2Z/FMA180+QHYCCD QHY5L-ⅡM
      カメラ:SBIG STL-11000M(-30℃) SBIG RGB,バーダーHα35㎚
     露出時間:Lx13 Rx2 Gx1 Bx2 Hx2 L以外は2x2ビニング 各15分 総露光時間300分
     画像処理:ステライメージ9/フォトショップCC 2021/Registax 6
  撮影日時/場所:2022年3月2日~/自宅「星見室」