ペリカン星雲頭部 IC5067 はくちょう座 距離:910光年 大きさ : 85'×75'(全体)
2022年09月12日にアップしたペリカン星雲頭部の写真を最新の処理ソフトで全面的に処理し直しました。使用した原画は2022年のものを使い、変更ありません。
ペリカン頚部付近のハービック・ハロー天体や暗黒帯をより強調でき、また右上の淡いHⅡ領域の赤色を引き出すことができました。(2025/12)
画像処理:PixInsight/BXT/SXT/Photoshop/NXT
夏のHⅡ領域として人気のはくちょう座にあるペリカン星雲です。この星域は以前にも撮影「 北アメリカ星雲・ペリカン星雲」しましたが、今回はペリカンの頭部~頸部にあたる興味深い星域をワンショットナローバンド+ブロードバンドで狙いました。星雲の赤い光は電離状態の水素原子(HⅡ)の出すHα線(波長656.3nm)によるもので、NB1ナローバンドフィルターが透過する輝線領域になります。
同時にVSD100F3.8鏡筒とニコンD810Aにより広範囲を撮影しています「北アメリカ星雲・ペリカン星雲2022」。こちらはフラット画像の取得後にアップの予定です。
画像中央から左にのびる暗黒帯の先端に上下方向の微かな雲のような天体が見られます。ハービック・ハロー天体です。ハービック・ハロー天体は、生まれて間もない星がジェットを吹き出し周りのガスと衝突することにより光っていると考えられています。このハービック・ハロー天体はHH555と命名され、付近にいくつかのハービック・ハロー天体が確認されています。濃いガス・暗黒星雲・星の誕生・若い星の紫外線放射によるHⅡ領域、典型的な場のひとつです。
前回と同様に「星の色」を引き出すことに注力しました。ワンショットナローバンド撮影(NB1フィルター使用)では特に青系の色が出にくく、ブロードバンド画像(IR/UVフィルター使用)との合成を何回か試みましたが、結果は思わしくありませんでした。そこで今回のブロードバンド撮影は露出を押さえ30秒露出とし、また、バージョンアップされたStarNet++により作成した「星だけ画像」「星雲だけ画像」を、Photoshopのレイヤー機能で合成しました。ナローバンドとブロードバンドによる合成写真をアップするのはこの画像が初めてです。
ただ、理想的な合成は「ナローバンドの星雲だけ画像」と「ブロードバンドの星だけ画像」の合成と思われますが、位置合わせに星を使うことから、これが今のところできていません。何かいい手順が見つかれば...
モノクロカメラによるナローバンド+RGB撮影が最も最良な方法と思われますが、円安の動向が非常に気にかかります。次回はブロードバンドに10秒程度の露光も加算しようと考えています。(2022/09)
撮影機材:タカハシ Mewlon-250CRS+CR0.73X(D250㎜ f.l.1825㎜ F7.3)
タカハシ EM-400FG-Temma2Z/FMA180+QHYCCD QHY5L-ⅡM
カメラ:ZWO ASI 2600MC Pro(-5℃) アイダス NB1 ZWO IR/UV
露出時間:NB1 600秒×24枚 IR/UV 30秒×30枚 総露光時間255分 gain100 offset50
画像処理:ステライメージ9/StarNet++/Registax 6/フォトショップCC 2021
撮影日時/場所:2022年8月6日~9月5日/自宅「星見室」
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