オリオン大星雲 M42 M43 オリオン座 距離:1300光年 大きさ:66'×60'(M42)20'×15'(M43)

 冬の南天で長方形の中に三つ星が並んでいるオリオン座は、もっとも見つけやすく覚えやすい星座です。下の写真左には西空に傾きかけたオリオン座が写っています。その三つ星のちょっと下(南側)のところに暗い星が3つ、南北に並んでいるのが見えます。これを小三つ星といいます。小三つ星の真ん中の星を注意して見ると、光がにじんでいるように見え他の星とは少し違うのがわかります。これがオリオン座の大星雲M42です。北半球で最大級のオリオン大星雲は、肉眼で見つけることのできる数少ない星雲のひとつです。望遠鏡を使い撮影したのが上の写真です。この写真は2012年の入選作品を、昨年作成したフラット画像で再処理したものです。

 オリオン大星雲は、現在でも活発に星が生まれている領域です。星雲の中心部、最も輝いている部分を別の望遠鏡で見ると(下写真右)、明るいガス雲の中にトラペジウムとよばれる4つの明るい星が光っているのを見ることができます。これらの星は、この星雲から生まれたばかりの星たちです。さらに、周囲の星雲の中では7000もの星が生まれつつあり、その中には太陽系と同じ惑星系を持つ星のタマゴも多く発見されています。オリオン大星雲は、天の川銀河(大きさ10万光年)の中で太陽系から近い1300光年の位置にあります。(2018/02)


     撮影機材:ペンタックス105SDP/タカハシEM-200Temma2/セルフガイド
      カメラ:SBIG STL-11000M(-30℃) SBIG RGB
     露出時間:L5分×10,R5分×5,G5分×5,B5分×6,RGB 2×2ビニング 総露光時間130分
     画像処理:ステライメージ8/フォトショップCC 2018
  撮影日時/場所:2011年11月5日/新潟県上越市キューピットバレイ

星ナビ入選作品 2012年4月号