北アメリカ星雲 NGC7000 120'×100'/ペリカン星雲 IC5067 85'×75' はくちょう座 距離:910光年

 夏星座の代表である「はくちょう座」の1等星デネブの近くにある大型の散光星雲です。左が北アメリカ星雲、右がペリカン星雲、形が似ていることからその名がつきました。実際には北アメリカ星雲とペリカン星雲は、別の星雲でなく同一の星間ガス雲の一部です。星雲と太陽系の間にある別の宇宙塵を多く含む暗黒星雲の帯が、星と星雲の光を吸収しているため北アメリカとペリカンの二分した形に見えています。星雲の位置は「白鳥座の全景 」で確認してください。
 これらの散光星雲は、主にHα線という水素に由来する波長656.28nmの光を発しています。赤外線をカットした一般的なデジタルカメラや肉眼でこれらの星雲を確認することは難しいですが、天体改造したデジタルカメラでは比較的容易に写すことができます。この写真は天体写真専用のカメラで撮像しています。北アメリカ星雲のメキシコ湾付近やペリカン星雲の頭部付近は魅力的な星域ですから、長焦点望遠鏡で狙いたい対象です。
 撮像に用いた105SDP鏡筒の昨年作成したフラット画像により再処理しました。この処理により北アメリカ星雲の微妙な色相の変化が明瞭になり、また、右下の輝星(HIP102746)近くに僅かに青い光があることに気づきました。このフラット処理による違いは「フラット画像 冷却CCDカメラ」で確認してください。(2018/05)


     撮影機材:ペンタックス105SDP/タカハシEM-200Temma2/セルフガイド
      カメラ:SBIG STL-11000M(-15℃) SBIG RGB
     露出時間:L10分×8,R10分×3,G10分×3,B10分×3,RGB 2×2ビニング 総露光時間170分
     画像処理:ステライメージ8/フォトショップCC 2018
  撮影日時/場所:2012年8月21日/新潟県妙高市関山